時代劇講座

講座名 時代劇を作ろうー演劇を通して自分を表現しようー
講座の概要 中高生を対象に殺陣やダンスなどをまじえて現代版時代劇を皆(参加者)の知恵を集めて作ります。最後は新宿区内福祉施設で公演発表をします。
作品 水戸黄門漫遊記ー両国花火は江戸の華ー(仮題)
 @ 黄門様諸国を漫遊す(オープニング)。
 A 男の子をいじめている悪党を懲らしめる。
 B その子の家は花火職人の家であった。
 C ガンコ職人と若き不肖の弟子、そして、ガンコ職人の娘。
 D 花火大会に黄門様が来るとの噂。
 E ガンコ職人『○○や』と悪徳職人『××や』の確執。
 F 悪徳職人と悪徳花火奉行の悪巧み。
 G ガンコ職人付け火により不具になる。
 H 再び、ガンコ職人、娘、弟子。そして、黄門様。
 I 悪徳花火職人の量産花火と高笑い。
 J 花火大会当日。
 K そして立ち回り。
 L 大団円。

定員 20名
講座の実施期間 2005/07/09 (土) から 2005/07/18 (月)まで


<前回の実践より>
《異年齢の交流を》
公開講座『時代劇を作ろう』に参加して

                    アフタフ・バーバン 金子ざん 

 7月の土日を使っての全5回で、高校の場を一般に公開しそこを学習の場としようということで開かれた公開講座。そこで実施されたものひとつが、『時代劇を作ろう』。地域、都内の中学生高校生に呼びかけ、5日目には高齢者施設で発表をしようというまさに地域との交流を目指したもの。私は、その講座の吹く講師として参加しました。
 6月末の段階で参加者は定員の20人に。高校生7人、中学生14人の21人のスタートとなった。参加した理由は様々で、「演劇部の部長なのですが、殺陣やダンスに興味があって・・・。」「演劇部がないのでこのチャンスに演技が出来る・・・。」「時代劇の悪役がやってみたくて。」「引っ込み思案なので、前に出る経験をしたくて・・・。」また「戸山高校(開催校)に興味があって・・・。」と言う声も多かったです。「お母さんが応募してしまったので・・・。」と言うのもありました。
 台本は、ラストの発表会の高齢者を意識して長谷川伸作『瞼の母』。見事にみんな知りませんでした。ご父兄も知っている人はわずかでした。

 1日目、交流のあそび、ダンスの練習、および読み合わせ、役決め、悪巧みおよび母を尋ねてのシーンをチームごとに考える。
 2日目、体操・発声、脚本完成、立ち回り(殺陣)の基礎練習および殺陣のシーンの練習、シーン毎の細かい練習、ラスト(キャスト紹介)ダンスの練習、荒通し。
 3日目、体操・発声、抜き稽古、初めから流しながらの練習、場面転換、音照明などのきっかけ稽古。
 4日目、体操・発声、オープニング立ち回り練習、通し稽古数回、保護者友人に向けてのリハーサルを兼ねた発表会。
 5日目、高齢者施設(新宿「かしわ苑」)訪問、リハーサル、および本番。

 やはり、高齢者の方々は暖かかったです。オープニングの歌が流れ出し、演者が出て来るととたんに涙を流される方がいたり、「よ、頑張れよ!!」と声をかけてくださったり、ダンスのときに一緒に手を動かしたり。「昔、私このお芝居を村のお祭りでやったことがあるのよ・・・。」「いいわねえ、でも、どうやってこんなに違う学校の人たち集まってひとつのことをできるの?」と、感想を述べてくださいました。最後には、アンコールがかかり、お礼の歌「我は海の子」も一緒に歌った1時間でした。「有難う、また来てね。」「また来て下さいね。」と握手をしていました。
 『瞼の母』はこちらが用意した題材です。でもその中に、少しでも自分たちの表現が入るようにと、母を訪ねるシーンや忠太郎を何とかしてやっつけるという悪巧みのシーンを入れて、そこはみんなで相談するようにしました。落とし穴を掘ってみたり、人質を捕らえてみたり、母を訪ねてのマルコが出たり、「お母さんといっしょ」と言うテレビ番組がでたりしました。それが真剣に彼らの表現なのかと言うとまだ表層でしかないかもしれませんが、とても楽しんでやっていたことは確かです。それを見た高齢者の方々も嬉しそうに見ていました。ラストのダンスにいたっては、まさに彼らの今の表現を高齢者の方が感激しながら見る瞬間でした。

 そして、参加者はそれぞれに交流し、別れていきました。5日間と言う不思議な集中した時間は、それぞれに、力を与えてくれました。
 地域には、本当にいっぱい発表の場があり、それを受け止めてくれる人がいると実感する企画でした。

《5大特典》
@ 時代劇を演じることが出来る。(創作過程体験)
A 他校生との交流が出来る。(仲間作り)
B 大学生の指導を受けられる。(新しい人との関係)
C 殺陣・ダンスなどの技術が習得できる。(新しい技術)
D 高齢者施設にて公演をするので、異年齢のお客さんに接することが出来る。(異年齢交流)